生産緑地とは?- 2022年問題を見据えて -

生産緑地とは?- 2022年問題を見据えて -

電話
  • 東京 03-6302-0963
  • 関西 06-4862-4523

[ 受付時間 ] 9:30〜18:30 年中無休(年末年始を除く)

  1. トップページ
  2. 法制度ブログ
  3. 生産緑地とは?- 2022年問題を見据えて -

生産緑地とは?- 2022年問題を見据えて -

この記事をシェア

この記事をシェア

生産緑地地区


目次

生産緑地制度の生まれた背景


生産緑地法が制定された昭和49年ごろ、都市圏においては都市化が進み、緑地が宅地などに転用されることが増えていました。


しかし、市街地における緑地の減少は住環境の悪化などの問題を招くことになりました。


そこで、農地の有する環境機能などを考慮し、農林漁業との調整を図りつつ、良好な都市環境を形成していくという目的のもと、生産緑地法が制定されました。


しかし、その後も都市化の進展による土地不足と地価の上昇は止まらず、1992年には、農地として保存すべき土地は保全し、その他の土地は宅地への転用をより進めていくという姿勢をより明確にする形で、生産緑地法の改正がなされ、現在に至っています。



生産緑地の定義


生産緑地は、


1.良好な生活環境の確保に相当の効果があり、公共施設等の敷地に供する用地として適している
2.500㎡以上の面積を有する
3.農林業の継続が可能な条件を備えている


という3つの条件を満たした市街化区域内の農地について、市町村が都市計画で生産緑地地区と定めた土地をいいます。


平成26年の時点で、222の自治体の、1万3,653.7 ha、6万3,189地区が生産緑地に指定されています。


また、生産緑地のほとんどは三大都市圏に集中しています。


生産緑地指定の効果


権利者が負う義務

生産緑地に指定された土地を使用・収益する権利を持つ者は、当該土地が生産緑地である旨の掲示を行い(生産緑地法6条)、必ずその土地を農地として管理しなければなりません(生産緑地法7条)。


この管理について、市町村長から報告を求められたり、立入検査等を受けたりすることがあります。


また、建築物その他の工作物の新築、改築又は増築など、土地に手を加える行為は原則としてできず、農林漁業の目的で指定された用途の施設にかかる場合のみ市町村長の許可を得て設置・管理することができます(生産緑地法8条)。


権利者への利益


土地を生産緑地に指定することによる権利者の利益は税制の面にあります。


まず、固定資産税において優遇があります。


市街化区域内の通常の農地は、3大都市圏では宅地並みの評価・課税がされます。これは、農地の転用を促し市街化区域内の宅地を拡大するためです。


しかし、生産緑地についてはむしろ転用を抑制する必要があるため、宅地より非常に安い農地並の評価・課税がなされます。


また、生産緑地については相続税の納税猶予の適用を受けることができます。これは、農業を営んでいた被相続人から、相続人が農地等を相続や遺贈によって取得し、農業を営む場合などには、一定の要件の下に、その相続税の一定額の納税猶予を申請することができる制度です。


納税猶予制度の詳細については次章で説明します。



アグリメディアの土地活用・関連動向の資料はこちら


相続税の納税猶予


上述の通り、一定の農地を相続した場合、一定の条件のもとに相続税の納税猶予の適用を受けることができます。


この猶予額は一般の農地においては、


1.特例の適用を受けた農業相続人が死亡した場合
2.特例の適用を受けた農業相続人が当該農地を後継者に生前一括贈与した場合
3.特例の適用を受けた農業相続人が相続税の申告書の提出期限から農業を20年間継続した場合


には免除となり、納税する必要がなくなります。


ただし、三大都市圏の特定市における生産緑地の場合は(3)は終身営農が条件となることに注意が必要です。


しかし、当該農地について、


1.譲渡等があった場合
2.農業経営を廃止した場合


などには、原則として猶予を受けることができなくなり、納税義務が発生します。


ここでいう「譲渡等があった場合」には、譲渡、贈与もしくは転用のほか、賃借権の設定など、幅広い範囲の権利の設定・移転が含まれます。


そこで、納税猶予を受けた所有者は自ら耕作せざるを得ない場合がほとんどでした。


※2018/06/21 追記

上記の条件が、農地の有効活用や維持の妨げになっていた側面があったため、都市農地の賃借の円滑化に関する法律が6月20日に全会一致で可決・成立いたしました。



生産緑地の指定解除


以上のように、生産緑地に指定された土地を所有する者には税制面で優遇がなされる一方、多くの制約が課されます。


そのため、生産緑地の指定解除をしたいと思う権利者も多いと思われます。
では、指定解除の要件はどのようなものでしょうか。


生産緑地法10条は、


1.農林漁業の主たる従事者が死亡等の理由により従事することができなくなった場合
2.生産緑地として告示された日から30年が経過した場合


には市町村長に対して当該生産緑地の買取りを申し出ることができると定めています。


ただし、この買取りは義務ではなく、特別な事情があれば市町村長はその買取りをしない旨の通知をすることもできます。


そして、申出の日から3ヶ月以内に当該生産緑地の所有権の移転が行われなかったときは、生産緑地法上の行為の制限が解除されます(生産緑地法第14条)。


もともと市街化区域内の農地である生産緑地は、その行為制限が解除されれば届出のみで転用できるため、土地利用が自由になります。


生産緑地制度における問題点


生産緑地制度にかかる問題点としては、制約の多さによる所有者の困難が挙げられます。


生産緑地法7条から9条の制限に加えて、納税猶予による譲渡制限を受けている状況のもとでは、自ら耕作を行う方が多いと思われます。


しかし、生産緑地の解除要件は厳しく、仕事の都合で営農できないなどといった理由で解除を求めることはできません。そのため、生産緑地の処分に悩む所有者は非常に多いです。


さらに問題となるのが、いわゆる「2022年問題」です。


現行の生産緑地法に基づく生産緑地の指定は、1992年に初めてなされました。そして、2022年にはそれから30年が経ち、市町村に対して買取りの申出をすることが可能になります。


そのような土地はおよそ8割ともいわれます。


しかし、財政上の理由から自治体が生産緑地を買取ることはほとんどありません。そのため、行為制限が解除された生産緑地が宅地に転用されて不動産市場に大量に流入することが予想されます。


こうした事情を踏まえると、現在生産緑地を所有されている方は、2022年以降の土地利用について早急に検討を進めていく必要があるでしょう。


当社アグリメディアは、生産緑地の活用方法や、税制、法制度の改革について説明するセミナーを開催しています。席数に限りがありますので、お早めにお申込みください。


また当社では、生産緑地を生産緑地のまま、手間をかけずに収益化できるシェア畑の開設を提案しています。是非、詳細資料でその特長や開設事例をご覧ください。


詳細資料のダウンロードはこちら



次の記事

ご相談はこちら

9:30〜18:30 年中無休(年末年始を除く)